题名

「かなと思う」表現の使用実態―国会会議の用例を中心に―

并列篇名

「かなと思う」表現的使用實態調查─以國會會議用例為中心─|Use of "Kana to Omou" to express in real situation - Study of Congressional Record of the JapaneseDiet -

作者

石井郁江(Ishii Ikue)

关键词

ぼかし表現 ; 配慮表現 ; 国会会議 ; かなと思う ; たいかなと思う ; 模糊表現 ; 配慮表現 ; 國會會議 ; かなと思う ; たいかなと思う|Hedging ; Consideration Expression ; The Japanese Diet ; "Kana to Omou" ; "Tai Kana to Omou"

期刊名称

銘傳日本語教育

卷期/出版年月

23期(2020 / 10 / 01)

页次

97 - 123

内容语文

日文

中文摘要

現代の日本の社会では、意見や見解を表明したり、相手に対して何らかの依頼や要求を行ったりする場面において、「かなと思う」という表現形式が選択されることが増えている。これは、相手にうっかり言質を与えたり、自身の発言に対する反発や衝突、摩擦などを生じさせたりしないために、慎重になって言葉を選択しようとする現代人の心理が投影しているからである。本稿は、意見や見解、要求行動などが多く見られる日本の国会会議を例に、「かなと思う」および、要求行動の一つでありながら先行研究では見られない願望を表す「たい」が付加された「たいかなと思う」についても考察し、年代を追うごとに使用数が上昇していることを示すと共に、「かなと思う」に共起する表現に一定の傾向が見られることを報告するものである。

英文摘要

在現今的日本社會,遇到需要表達個人的意見、見解,或是遇到要向他人請託或提出要求等情況時,有越來越多人會選擇使用「かなと思う」這樣的表達方式。這是源自於現代人內心的一種投射。因為人們擔憂自己在說話時,落人話柄,或是引起對方的反彈、造成衝突以及摩擦等問題,因此在用字遣詞上顯得較為謹慎小心。我們在日本國會會議中經常可以看到像這樣發表個人意見、見解,或是對他人提出要求等行為及場面。因此本稿將以日本國會會議中的對話為例,以「かなと思う」以及雖屬要求行為,但在先行研究中鮮少被提及的「たいかなと思う」進行考察。本稿依照年代進行考察後,得知隨著時間的演進「かなと思う」使用次數持續增加。而觀察其他和「かなと思う」同時出現的用法時,也能觀察到一個特定的傾向。|In modern Japanese society, the expression form "Kana to Omou" is increasing in choice when expressing opinions and making requests to other parties. This is because them entality of modern people who carefully select words is projected in order to prevent them from inadvertently giving qualities to others or causing repulsion, collision, or friction against their own statements. In this article, we take the Japanese Diet, where many opinions, and demand behaviors are seen, as an example, "Kana to Omou" and "tai", which is one of the demand behaviors but represents a desire not seen in previous research. To report, we also consider the added "Tai Kana to Omou", show that the number of uses is increasing with each age, and show that there is a certain tendency in the expression that co-occurs with "Kana to Omou".

主题分类 人文學 > 語言學
社會科學 > 教育學
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