题名

植民地化初期の樺太経営策の模索-特別会計制という枠組みの中で-

并列篇名

日本統治樺太初期經營方針的摸索:以特別會計制度架構為討論中心|In Search of Direction to Administer Karahuto in the Early Stage of Japanese Rule: A Disscussion Focusing on the Framework of Special Accounting System

DOI

10.6183/NTUJP.2016.32.193

作者

楊素霞(Su-Hsia Yang)

关键词

樺太庁特別会計 ; 樺太庁 ; 総合行政権 ; 鰊 ; 建網 ; 樺太廳特別會計 ; 樺太廳 ; 綜合行政權 ; 鯡魚 ; 定置網|Karahuto Special Account System ; Karahuto Prefecture Government (Karahutotyo) ; Overall Executive Power ; Herring ; Fixed Fishing Net (fixed net)

期刊名称

台大日本語文研究

卷期/出版年月

32期(2016 / 12 / 01)

页次

193 - 221

内容语文

日文

中文摘要

財政自主を主旨とする特別会計制下で、樺太の経営は総合行政権を握る樺太庁の重責となった。しかし植民地化初期において樺太の経営が低調であったため、樺太庁は現地の産業経済構造を前提とした財源確保を行わなければならなかった。本稿では、植民地化初期の樺太経営策の模索を特別会計という制度的枠組みの中で分析することが、その研究目的である。最初は鰊建網漁の独占的収入が保護されたが、当庁は、建網漁の季節出稼ぎによる定住の低下、不安定な漁獲による財源不足、中小漁民による刺網使用許可の要求や産業基盤の不備などの問題に直面した。その劣勢から脱出できたのは当庁の政策転換によった。1915年に当庁は刺網使用を認めるようになった。さらに1900年代後半より既に百年輪伐期.天然更新法を以て、安価な国有林払下げを受ける資本家にパルプ工業への進出を奨励した。それは財政的な制約との妥協案であった。それにより1910年代中期に定住率の上昇と産業基盤整備が軌道に乗り始めた。

英文摘要

在以財政自主為宗旨的特別會計制度下,樺太的經營成為掌握綜合行政權的樺太廳的重責大任。然而,日本統治初期樺太經營不甚理想故樺太廳在該制度下就得確保以當地產業經濟結構為前提的財政收入。本文即試圖探討在特別會計制度架構下樺太經營方針的模索情形。最初樺太廳獨厚鯡魚定置網業者,但也面臨到因該行業季節性所引發的定居率低落、魚貨量不穩定所造成的該廳財政拮据、基礎建設不足等問題,以及其它業者提出使用刺網之要求。而扭轉此劣勢的關鍵為該廳的政策轉向。該廳於1915年開放刺網的使用,且1900年代後期在財政拮据下,採用一百年為輪伐期及天然更新的方式,把廉價的森林抛售給資本家以利發展紙漿製造業,此轉向帶動1910年代中期起定居人數增加,基礎建設步上軌道。|Under the special accounting system which aimed at fiscal self-sustainability, the management of Karahuto became the principal responsibility of the prefecture government which controlled amalgamated administrative power. However, early Japanese rule in Karahuto was not economically productive. Therefore, the Karahuto Prefecture needed to guarantee fiscal revenue in the framework of local business and economic structure. This paper attempts to examine the search for policy direction for Karahuto in its early years under Japanese rule. At first, the prefecture government gave exclusive favor to those using fixed net method. In so doing, as the trade had seasonal fluctuations, the government encountered the problems of low settlement rate, poor revenue because of unstable quantity of fish catches, and lack of infrastructure. Some other people in the fishery industry also demanded the use of gillnet. To alter this adversary situation, the prefecture government changed its policy. It allowed the use of gillnet in 1915. Besides, with its fiscal strain in the late 1900s, the prefecture adopted a new rotating logging method based on 100 years as a cycle and natural replacement. It also sold wooden pieces at cheap prices to capitalists to encourage the development of the paper-making industry. This policy changed caused increase in population from the mid-1910s on, bringing more infrastructure in subsequent years.

主题分类 人文學 > 語言學
人文學 > 外國文學
参考文献
  1. 「樺太統活方針に関する意見進達之件」( 1906.10.12)アジア歴史資料センター、Ref.C03020455100
  2. 白土宇吉( 1909)『樺太開発策』北進堂
  3. 白土宇吉.秋山審五郎( 1906)『樺太案內』樺太案內発行所
  4. 樺太庁編( 1914)『樺太要覧 大正三年』樺太日日新聞社
  5. 「樺太漁業経営に関する建議の件」(1905.8)アジア歴史資料センター( http://www. jacar.go.jp/)、Ref.C03026646600
  6. 「遼東租借地并樺太統治ニ関スル法律案外十一件ニ対スル大蔵大臣意見書ノ件」( 1906.6.8)アジア歴史資料センター、Ref.A04010109300
  7. 杉本善之助( 1935)『樺太漁制改革沿革史』樺太漁制改革沿革史刊行会
  8. 大蔵省編( 1940)「樺太庁特別会計歳入歳出決算額累年一覧表」、同省編『明治大正財政史 第十九巻』財務経済学会
  9. 「樺太庁法令類聚」( 1909.12)アジア歴史資料センター、Ref.A06033509100
  10. 「御署名原本.明治四十年.勅令第三十三号.樺太庁官制」( 1907.3.14)アジア歴史資料センター、Ref.A03020704800
  11. 中牟田五郎( 1931)『樺太森林開発事情』帝国森林会
  12. 「遼東租借地及樺太統治ニ関スル法律案ノ件(外九件)」( 1906.6.5)『公文雑纂.明治三十九年.第二十巻.陸軍省.海軍省』国立公文書館蔵 、纂 -00989-100
  13. 樺太庁編( 1925)『樺太庁治一斑 第九回』樺太庁
  14. 「樺太庁官制に関する件」( 1906.10)アジア歴史資料センター、Ref.C03027321800
  15. 「御署名原本.大正四年.勅令第百六号.樺太漁業令中改正」( 1915.7.2)アジア歴史資料センター、Ref.A03021039200
  16. 武見芳二( 1928)「樺太入移民の経済地理学的考察(下)」『地理学評論』4-10
  17. 「陸海軍ニ属スル臨時事件費特別会計終結ニ関スル件ヲ定ム」(1905.12.25-1906.5.10)アジア歴史資料センター、 Ref.A15113589800
  18. 函館商業会議所編( 1905.8.28)『函館商業会議所月報』29
  19. 「軍事上施設に関する意見進達之件」(1906.4.14)アジア歴史資料センター、 Ref.C03020454900
  20. 大蔵省編( 1936)『明治大正財政史 第二巻』財務経済学会
  21. 樺太民政署( 1907)『樺太南部水産予察調查報告』樺太民政署
  22. 『帝国議会会議録 第28回』. 『帝国議会会議録 第31回』、国会図書館帝国議会会議録檢索システム(http://teikok ugikai-i.ndl.go.jp/)
  23. 谷口英三郎( 1914)『樺太民政策』拓殖新報社
  24. 室町康( 1913)『樺太移住案內』愛国主義社
  25. 樺太庁編( 1911)『樺太庁治一斑 第三回』樺太日日新聞社
  26. 樺太庁長官官房編( 1912)『樺太施政沿革:維新以後 後編(下)』脇田嘉一
  27. 「長官の演說 漁業家に対する樺太建網業に対する希望(三)」( 1916.6.16)『樺太日日新聞』
  28. 「樺太島開発ニ関スル請願ノ件」( 1907.12.28)『公文雑纂.明治四十一年.第三十七巻.貴族院眾議院事務局.帝国議会.第二十四回一』国立公文書館蔵 、纂-01102-100
  29. 「樺太統治ニ関スル法律案外五件」( 1906.6.25)アジア歴史資料センター、Ref.A04010108200
  30. 大日本帝国議会誌刊行会編( 1929)『大日本帝国議会誌 第六巻』大日本帝国議会誌刊行会
  31. 「漁業法ノ一部ヲ樺太ニ施行ス」( 1908.9.30-10.8)アジア歴史資料センター、Ref.A15113833300
  32. 福家勇( 1933)『樺太とはどんな処か』樺太日日新聞社代理部
  33. 『眾議院委員会録 第23回第1-3類』. 『眾議院委員会録 第24回第1-5類』.『眾議院委員会録 第25回第1-4類』.『眾議院委員会録 第27回第1-4類』(眾議院事務局、1911)、国会図書館デジタルコレクション ( http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/784092)
  34. 谷口英三郎編( 1913)『樺太の漁業制度:平岡樺太庁長官談話(植民問題研究資料;其一)』樺太協会
  35. 三木理夫(1999)。移住型植民地樺太と豊原の市街地形成。人文地理,51(3)
  36. 三木理史(2005)。1930年代の樺太における石炭業。アジア経済,46(5)
  37. 小林道彦(1996)。日本の大陸政策 1895-1914─桂太郎と後藤新平。南?社。
  38. 中山大将(2014)。亜寒帯植民地樺太の移民社会形成─周辺的ナショナル・アイデンティティと植民地イデオロギー。京都大??術出版?。
  39. 井澗裕(2004)。ウラジミロフカから豊原へ─ユジノ・サハリン スク(旧豊原)における初期市街地の形成とその性格。21世紀COEプログラム「スラブ・ユーラシア学の構築」 : 研究報告集 第5号 日本とロシアの研究者の目から見るサハリン.樺太の歴史(I)
  40. 北海道総務部行政資料室編(1971)。樺太基本年表。北海道。
  41. 平井廣一(1994)。樺太植民地財政の成立─日露戦後~第一次大戦期─。経済学研究,43(4)
  42. 平井廣一(1985)。日本植民地財政史研究の方法をめぐって。北星学園大学経済学部北星論集,23
  43. 平井廣一(1997)。日本植民地財政史研究。?????書房。
  44. 石田好数、松浦勉(1999)。続.日本漁民史─樺太漁制改革運動小史。舵社。
  45. 伏見岳人(2013)。近代日本の予算政治 1900-1914 : 桂太郎の政治指導と政党内閣の確立過程。東京大?出版?。
  46. 原圭一郎編(1981)。原敬日記 第二巻 政界進出。福村出版。
  47. 原暉之編(2011)。日露戦争とサハリン島。北海道大?出版?。
  48. 陸軍省編(1983)。明治卅七八年戦役陸軍政史 第八巻。湘南堂書店。
  49. 楊素霞(2016)。日露戦後における植民地経営と樺太統治機構の成立─日本政府内部の議論からみる─。社会システム,32
  50. 楊素霞(2013)。1910-30年代日本の北方の都市空間への視線─「周辺地域」北海道と植民地樺太への旅行を対象として―。都市研究:歴史.社会.文化,9
  51. 樺太庁編(1981)。樺太庁施政三十年史(上)。原書房。
  52. 樺太庁編(1981)。樺太庁施政三十年史(下)。原書房。
  53. 塩出浩之(2015)。越境者の政治史:アジア太平洋における日本人の移民と植民。名古屋大?出版?。