『平家物語』における〈うた〉と〈物語〉のはざま－卷一「鹿谷」を中心にして－

《平家物語》〈うた〉與〈物語〉間的論述：以卷一「鹿谷」為中心｜Of Uta and Monogatari in The Tale of the Heike With a Focus on Volume 1 ＂Shishigatani＂

10.6183/NTUJP.2017.33.65

楊錦昌(Yang, Chin-chang)

『平家物語』 ； うた ； 物語 ； 鹿谷事件 ； 藤原成親 ； 《平家物語》 ； うた（Uta） ； 物語 ； 鹿谷事件 ； 藤原成親｜The Tale of the Heike ； Uta(うた) ； Monogatari ； Shishigatani incident (Shishigatani jiken) ； FUZIWARA no Narichika

台大日本語文研究

33期（2017 / 06 / 01）

65 - 79

日文

『平家物語』における（うた﹑とく物語＞のかかわりについての研究は﹑なお十分ではなく﹑さらなる研究を進めるべき余地がある。そこで﹑小論は﹑1177年に起きた鹿谷事件を中心に﹑その事件の発端（原因）に関連するくぅた》と《物語（説話）》のはざまに焦点をあてつつ﹑論を進めることにする。具体的に扱う対象としては﹑鹿谷事件の中心人物の藤原成親とそれに関連する巻一「鹿谷」に見られる歌と物語（説話）である。また考察の過程において﹑『平家物語』においてなぜ（うた）が取り入れられて語られざるを得ないのか﹑という問題をも視野に入れつつ考察を進めたい。

有關《平家物語》中的〈うた（Uta）〉與〈物語〉關連的研究尚不充分，至今仍有持續研究空間。因此，本論文以發生在1177年的「鹿谷事件」為主，聚焦於該事件肇端（原因）的相關〈うた〉與〈物語（說話）〉間的研究。具體探討的対象為鹿谷事件的中心人物藤原成親，以及與其相關的卷一「鹿谷」中的和歌與物語（說話）。此外，探討時也將「《平家物語》為何非將〈うた〉納入（物語）敘述」的議題納入思考。｜Research on the relationship between Uta and Monogatari in The Tale of the Heike is not sufficient; further studies are expected. Thereupon, the present paper aims to research in this regard by focusing on the relationship between Uta and Monogatari with regard to the origins of The Shishigatani Incident (Shishigatani jiken), which took place in 1177. The specific objects dealt with in this study are FUZIWARA no Narichika, the central figure of The Shishigatani Incident, as well as uta and monogatari appearing in volume 1 ＂Shishigatani,＂ related to FUZIWARA. Besides, I would also like to bring it into view why it is necessary to employ uta to narrate the stories in The Tale of the Heike.

1. 楊錦昌(2016)。『平家物語』に見る『歌物語的』様式の一考察。台大日本語文研究，31，31-50。
   連結：
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