题名

漱石作品の外来語表記に関する一考察-〈ランプ〉を中心に-

并列篇名

有關漱石作品中的日語外來語表記之考察-以〈ランプ〉為例-|Investigation into Japanese GAIRAIGO Notation in SOSEKI's Literary Works: "RAMPU" as an Example

DOI

10.6183/NTUJP.201912_(38).0004

作者

林慧君(Lin, Hui-jun)

关键词

外来語 ; 夏目漱石 ; 表記意識 ; 文脈 ; ルビ ; 外来語 ; 夏目漱石 ; 表記意識 ; 文脈 ; 標音|loanword ; SOSEKI NATUME ; conscious of notation ; context ; phonetic notation

期刊名称

台大日本語文研究

卷期/出版年月

38期(2019 / 12 / 01)

页次

75 - 103

内容语文

日文

中文摘要

本稿は、特に漱石の小説における〈ランプ〉という外来語を取り上げ、漱石の作品における外来語の表記問題について考えてみるものである。まず、当時の辞書における「ランプ」の登録状況を調べ、当時の〈ランプ〉の受容とその翻訳語との関係を考察する。次に、『漱石新聞小説復刻全集』(ゆまに書房)及び『定本 漱石全集』(岩波書店)の両テキストを用いて漱石の小説における〈ランプ〉の表記を調査し、漱石の外来語(〈ランプ〉)に対する受容態度や表記意識、またそれと漱石の表現意図との関わりなどを分析する。考察した結果、両テキストにおける〈ランプ〉の表記種類は一番多いタイプが相違すると明らかになった。特に、『漱石新聞小説復刻全集』の場合では、漱石の後期小説になると、カタカナルビ付きランプの漢字表記「洋燈」一本化への収束現象というような表記原則の傾向が窺われた。なお、漱石が外来語〈ランプ〉に対して意味と音の両方をともに意識するという表記態度を持っていたことを確認できた。また、作品内容の特殊性や文脈による表現意図の違いによって漱石の〈ランプ〉に対する表記意識が異なることも明らかにした。

英文摘要

本篇論文特別以漱石小說中的〈ランプ〉外來語一詞為考察分析對象,主要是探討漱石文學作品中的外來語表記問題。首先調查當時各種辭典登錄(ランプ)一詞的狀況,考察〈ランプ〉在當時的受容以及與翻譯詞之間的關係。並採用『漱石新聞小說復刻全集』(ゆまに書房)以及「定本 漱石全集』(岩波書店)兩種版本,調查漱石小說中的〈ランプ〉表記,分析漱石對於外來語(〈ランプ〉)的受容態度、表記意識,以及表記與漱石表現意圖之間的關聯性。考察結果得知:兩種版本其表記最多的種類並不相同,特別是『漱石新聞小說復刻全集』,到了漱石後期的小說,發現其〈ランプ〉的表記原則呈現使用附帶片假名標音的漢字表記「洋燈」單一化的傾向。另,透過調查,確認了漱石對於〈ランプ)此一外來語同時具有語意與發音的表記意識。此外,也論述了漱石因作品內容的特殊性以及内容文脈的表現意圖不同,所使用的〈ランプ〉一詞的表記意識亦有所差異。|The thesis mainly discusses the GAIRAIGO notation of 〈RAMPU〉 in SOSEKI's novels. Investigating the way dictionaries recorded the term 〈RAMPU〉 at that time and its relationship between sense translation and adoption, we selected "The Reprinted Collection of SOSEKI's News Novels" (YUMANI SHOBO) and "The Collection of SOSEKI's Works, Definitive Version" (IWANAMI SHOTEN) in order to study the notation of 〈RAMPU〉 in SOSEKI's novels, analyze SOSEKI's consciousness of notation and adoption of the GAIRAIGO 〈RAMPU〉, and SOSEKI's expressing purpose. According to the research, the types of notation that is mostly adopted are different in the two textbooks. Especially in the "The Reprinted Collection of SOSEKI's News Novels", there is a convergence to purely using 「洋燈」, which is KANJI notation with KATAGANA phonetic notation, in SOSEKI's late novels. Besides, it was confirmed that SOSEKI had consciousness of semantic as well as phonetic notation of the GAIRAIGO 〈RAMPU〉. Moreover, it is clarified that SOSEKI's consciousness of notation varies depending on the particularity of work's contents and expressing purposes of the contexts.

主题分类 人文學 > 語言學
人文學 > 外國文學
参考文献
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被引用次数
  1. 林慧君(2020)。漱石作品における外来語の表記─複数表記法を有する例を中心に─。台灣日本語文學報,47,75-98。