题名

『日本書紀』における「斉明紀」の記述方法-「大規模土木工事」と「怪異事件」を中心に

并列篇名

《日本書紀》中之「齊明紀」的記述方法-以「大規模土木工程」與「怪異事件」之相關敘述為中心│The Writing Style of Chronicle of Emperor Saimei in Nihon Shoki: Centered on the text of "large-scale civil engineering" and "weird events"

DOI

10.6183/NTUJP.202012_(40).0002

作者

鄭家瑜(Cheng, Chia-yu)

关键词

日本書紀 ; 斉明天皇 ; 小中華思想 ; 大規模土木工事 ; 怪異事件 ; 日本書紀 ; 齊明天皇 ; 小中華思想 ; 大規模土木工程 ; 怪異事件│Nihon Shoki ; Emperor "Saimei" ; Little China Conception ; large-scale civil engineering ; weird event

期刊名称

台大日本語文研究

卷期/出版年月

40期(2020 / 12 / 01)

页次

21 - 49

内容语文

日文

中文摘要

『日本書紀』に記されている四十一人の天皇の中で、斉明天皇(宝皇女)は非常に独自性の強い天皇である。たとえば、野明天皇が崩御した後、皇位継承者がいるにもかかわらず、宝皇女が舒明天皇の皇后として即位し、皇極天皇になった。さらに、孝徳天皇の時代を間に挟み、六十二歳の高齢で再び即位して斉明女帝となったのである。日本史上初の重祚をした天皇として皇極.斉明天皇はよく知られている。本稿ではこの高名である斉明天皇に着目し、『日本書紀』「斉明天皇紀」(以下、「斉明紀」と略す)における「大規模土木工事」「怪異事件」という二項目に焦点を置き、「斉明紀」の記述方法を考察することを試みた。以上の考察により、「斉明紀」には宗教、政治および水路といった実用性のある近代化された都づくりに腐心し、大和王朝を世界の中心とする「小中華思想」を強調しようとする斉明天皇像が描かれていることが分かる。さらに、中国史書の五行志を始め、漢籍によく見える予告.比喩.風刺の手法が頻繁に用いられていることも認められる。これらのことからも、『日本書紀』「斉明紀」は中国の思想.漢籍の表現からの影響が大きいと言えよう。

英文摘要

《日本書紀》所記載的四十一位天皇之中,齊明天皇(寶皇女)相當地獨特。在舒明天皇駕崩後,寶皇女以舒明天皇皇后的身分登基,成為了皇極天皇。但歷經數年孝德天皇的時代後,又以六十二歲的高齡再度即位,成為了齊明天皇。皇極.齊明天皇身為日本史上首次重祚的天皇,相當知名。本論文著眼於這位古代知名的女帝-齊明天皇,並以《日本書紀》「齊明天皇紀」(以下簡稱「齊明紀」)中的「大規模土木工程」與「怪異事件」等相關敘述為中心,藉以探索《日本書紀》「齊明紀」的記述方法。透過上述的考察,可以得知「齊明紀」描繪出積極開拓兼具宗教、政治、實用性的近代化都城、並且用心構築以大和朝廷為中心之「小中華思想」的齊明天皇形象。同時,透過怪異事件的相關記載,也可以看出「齊明紀」頻繁使用了中國史書五行志等漢籍中常見之預告、比喩、諷刺的手法。從這幾點也可以知道「齊明紀」受到中國思想以及漢籍表現的影響甚多。│Among the 41 emperors documented in Nihon Shoki, Emperor Kougyoku/Saimei as the first emperor ascended the throne twice in Japanese history is quite well-known. This thesis is focused on Emperor Saimei, centered on the text of "large-scale civil engineering" and "weird events" of Chronicle of Emperor Saimei in Nihon Shoki, and tries to find out the writing style of the Chronicle. Through the study as above, the text pictured out a modernized capital combining functions of religion, politics and practicality, and the image of Emperor Saimei with "Little China Conception" centered on Yamato imperial court was built up. Meanwhile, in the text about "weird events", there are a lot of rhetoric methods like metaphor and irony frequently appearing in China's ancient books like chapters of five elements in China's historical records. From these findings, it is evident that Chronicle of Emperor Saimei largely adapted China's ideas and writing styles in China's ancient books.

主题分类 人文學 > 語言學
人文學 > 外國文學
参考文献
  1. 鄭家瑜(2020)。日本書紀』における「舒明紀」の記述方法ー漢籍との関わりを視座としてー。台湾日本語文学報,47
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