题名

グローバル時代のエコフェミニズムの視点から読む多和田葉子の『星に仄めかされて』-「神の子どもたちはみんな踊る」の意味をめぐって-

并列篇名

全球時代視域下的生態女性主義視點閱讀多和田葉子《來自星星的訊息》:聚焦於「神的孩子都在跳舞」含意-│Reading Yoko Tawada's "Implied by the Stars" from the Perspective of Ecofeminism in the Age of Globalization: On the Meaning of "All God's Children Dance"

DOI

10.6183/NTUJP.202106_(41).0002

作者

曾秋桂(Tseng Chiu Kuei)

关键词

多和田葉子 ; 『星に仄めかされて』 ; 村上春樹 ; 『神の子どもたちはみな踊る』 ; 処方 ; 多和田葉子 ; 《來自星星的訊息》 ; 村上春樹 ; 《神的小孩子們都在跳舞》 ; 處方箋│Yoko Tawada ; "Implied by a Star" ; Haruki Murakami ; "All God's Children Can Dance" ; prescriptions

期刊名称

台大日本語文研究

卷期/出版年月

41期(2021 / 06 / 01)

页次

21 - 40

内容语文

日文

中文摘要

本論文は、エコフェミニズムの視点から、多和田葉子が意図的に創作する三部作の一作目『地球にちりばめられて』と二作目『星に仄めかされて』とを対照.比較したものである。考察した結果、『地球にちりばめられて』で一括りにできたグローバル時代において地球の人類が直面すべき外的なエコフェミニズム的課題と比べて、『星に仄めかされて』では、人物の内面的問題「心の傷」(弱み)が焦点化されていることが分かった。さらに、作品中、「神の子どもたち」と見てもよい登場人物と彼らが「踊る」ことからは、村上春樹の短篇小説集『神の子どもたちはみな踊る』が連想される。村上春樹の『神の子どもたちはみな踊る』では、トラウマと向き合うことでトラウマの存在に気が付き、そこから次のステップへの行動を展開する処方が提示されている。それに対して、多和田葉子の『星に仄めかされて』では、人間同士がどれだけ境界線を引いて壁、国境を作ろうとしても、地球以外の星から見れば、所詮一つの地球というボールで暮らしている人類に過ぎず、人間同士で作った壁も、他人のステップ、ペースに合わせて「踊る」ことにより、相互の相違や意見の齟齬を乗り越えられるという処方が提示されている。2019年以後、ノーベル文学賞受賞日本人候補者として名前が列ねられた村上春樹と多和田葉子が提示した処方は、正にコロナ禍の時代を生きているために、一つの生き方としてとりわけ意味深長なもののように響いて聞こえてくる。

英文摘要

本論文、生態女性主義視點論述多和田葉子下意識創作三部作的第一本《在地球各角落發光發亮》與第二本《來自星星的訊息》對照比較的成果。考察結果顯示《在地球各角落發光發亮》中總括出全球時代中地球上的人類所必須面對的外在生態女性主義的課題。而《來自星星的訊息》則是聚焦於登場人物的內心層面的問題「心靈創傷」。更從作品中可被認定為「神之子們」以及他們牽手「舞蹈」的動作,聯想到村上春樹著名短篇小說集《神的小孩子們都在跳舞》。村上春樹於該作品中開出了面對創傷是發覺創傷,從中展開下一個行動的處方箋。而多和田葉子也於《來自星星的訊息》開出了處方箋。那即是無論人們間劃清界線,製造藩籬、國界,但從地球以外的星球來看畢竟只不過是地球上生活的人類而已。即使人們間製造了藩籬,只要配合他人的步划「舞蹈」,就能消彌彼此的歧見。2019年之後常被名列獲得諾貝爾文學獎呼聲極高的村上春樹與多和田葉子兩位作家所開出的處方箋,正是2019年起蔓延全球禍害的新冠肺炎時代中人們,一帖新生活方式的提示。│This paper contrasts and compares Yoko Tawada's first and second works in her deliberately created trilogy, "Dusted by Earth" and "Implied by a Star" from the perspective of ecofeminism. As a result of the discussion, it was found that compared to the external eco-feminist issues that humanity on earth should face in the global age, which could be lumped together in "Dusted on the Earth," "Implied in the Stars" focuses on the internal issues of the characters, "heartbreak" (weakness). Furthermore, the characters who can be seen as "God's children" and their "dancing" in the work remind me of Haruki Murakami's short story collection, "All God's Children Can Dance". In Haruki Murakami's "All God's Children Can Dancing," he presents a formula for realizing the existence of trauma by confronting it, and developing the next step of action from there. In contrast, Yoko Tawada's "Implied by a Star" suggests that no matter how many boundaries humans draw between themselves to create walls and borders, from the perspective of the rest of the planet, they are just human beings living on a single ball called Earth. In this book, a prescription is presented that by "dancing" to the steps and pace of others, we can overcome our differences and disagreements. The prescriptions presented by Haruki Murakami and Yoko Tawada, both of whom are listed as Japanese candidates for the Nobel Prize in Literature from 2019, sound particularly meaningful as a way of life because we are living in the era of the Corona disaster.

主题分类 人文學 > 語言學
人文學 > 外國文學
参考文献
  1. 曾秋桂(2020)。グローバル時代のエコフェミニズムの視点から読む多和田葉子『地球にちりばめられて』-国境無き新しい夢を育むことへの示唆—。台大日本語文研究,39
    連結:
  2. https://realsound.jp/book/2020/01/post-477230.html ( 2021 年 1 月 10 日閲覧 )
  3. https://dokushojin.com/article.html?i=3319&p=3 ( 2021 年 1 月 15 日閲覧 ) 3319&p
  4. https://news.yahoo.co.jp/articles/9fe6b7f756af41b3a91bcfe282966a91851f5eab?page=1 ( 2020 年 10 月 10 日閲覧 )
  5. https://www.bookbang.jp/review/article/633645 ( 2021 年 2 月 10 日閲覧 )
  6. 多和田葉子、ロバート キャベル(2015)。やがて希望は戻る一旅たつ『献灯使』たち」。群像,1月?
  7. 宇佐美毅編、千田洋幸編(2012)。村上春樹と 一九九〇年代。おうふう。
  8. 曾秋桂(2020)。AIのテキストマイニング技術によるエコフェミニズム文学研究への支援-多和田葉子『地球にちりばめられて』を例にして-。台湾日本語教育論文集,35
  9. 曾秋桂(2019)。グローバル時代のエコフェミニズムの視点から読む多和田葉子の『地球にちりばめられて』-日本が消滅したことの真意について。台湾日本語教育論文集,33
  10. 曾秋桂(2013)。通過儀礼 として 見 た 村上 『 神 の 子ども たち は みな 踊 る 』 論 -トラウマ と 向き合う 物語 の 装置-。台湾日本語文学会学報,34
  11. 曾秋桂(2014)。生に寄り添う村上春樹の「モラル(倫理)」の体現一日本の二つの大震災によるトラウマを超える模索-」。比較文化研究,114
被引用次数
  1. 曾秋桂(2023)。多和田葉子『太陽諸島』の一考察-SDGsに向けた日本文学研究を視座に-。台大日本語文研究,45,25-43。
  2. 落合由治(2022)。AI情報処理技術教育の日本語文学科への導入の試み。台灣日語教育學報,38,1-30。