题名

大鹿卓研究-戦前昭和期のモダニズム文学を視座に-

并列篇名

大鹿卓研究─以戰前昭和期的現代主義文學為視角─|Oshika taku Studies: From the perspective of modernist literature in the prewar Showa period

DOI

10.6183/NTUJP.202206_(43).0001

作者

簡中昊(Chien, Chung-Hao)

关键词

大鹿卓 ; モダニズム ; 都会文学 ; 辺境 ; 昭和十年前後 ; 大鹿卓 ; 現代主義 ; 都會文學 ; 邊境 ; 昭和十年前後|Oshika taku ; modernism ; Urban fiction ; frontier ; the tenth year of the Showa era

期刊名称

台大日本語文研究

卷期/出版年月

43期(2022 / 06 / 01)

页次

1 - 32

内容语文

日文

中文摘要

大鹿卓は台湾原住民を描く小説「野蛮人」で中央公論賞を受け、名を成した。先行研究はおおよそポストコロニアル/植民地文学研究の視点で作中の「野性」を考察してきたが、その文学の全貌は明らかにされていない。本稿は昭和文学史の視点で大鹿卓の初期小説を対象に、作品における戦前昭和期の文学課題との関係および間テクスト性を考察し、大鹿卓とその文学を再定位する。「野蛮人」を含む「蕃地もの」は、都会生活に厭きた近代人を「蕃地」に追放させ、その深層心理を追究しようとする。彼の目的は芸術派の主流を占めた都会文学に対抗するものと言える。「潜水夫」では、大鹿は抒情詩の方法で「辺境の風景」を創出し、私小説の課題に応えようとし、室生犀星とも堀辰雄とも異なる「詩人小説家」となった。「北海もの」の「探鉱日記」では、大鹿は厳しい自然で人間性を解体させ、「不安の文学」という課題に答えた。「蕃地」から「北海」まで、大鹿が「都会」に相対する「辺境」で人間性の問題を思索するのは、主流へ反逆する美学の実験を行うためである。都会文学に反逆すると同時に、同時代の西欧の文芸思潮をも拒否し、自らの詩法で創作する大鹿は、「反近代のモダニスト」とも言えよう。

英文摘要

大鹿卓以描寫台灣原住民之小說〈野蠻人〉獲中央公論賞而成名,前行研究也多以後殖民研究/殖民地文學視角考察作中的「野性」意涵。然而〈野蠻人〉僅是大鹿卓的出道之作,其文學的全貌尚待釐清。本論文以昭和文學史之視角考察大鹿卓之初期小說,聚焦探討作品與戰前昭和期之文學議題的關係,以及作品間的互文性,藉此重新定位大鹿卓與其文學。本文發現包含〈野蠻人〉在內的「蕃地小說」,於作中將厭倦都會生活的近代人放逐到「蕃地」,企圖藉此描寫其心理,意在對抗藝術派主流的都會文學。在小說〈火藥〉與〈潛水夫〉中,大鹿運用近代抒情詩的方法創出「邊境的風景」,以回應私小說議題,也走出有別於室生犀星與堀辰雄的「詩人小說家」之路。在「北海小說」的〈探礦日記〉中,大鹿描寫千島的酷寒天候與人性掙扎,以回應「不安的文學」此一課題。本論文認為,大鹿選擇於「邊境」刻畫人性,意在進行反叛主流的美學實驗;他在拒絕書寫都會文學的同時,也拒絕同時代的西歐文藝思潮,以自己的詩法創作,可說是一位「反近代的現代主義者」。|Oshika taku became famous for his novel "Yabanjin", which alluded to the Musha incident, which was awarded by the Chūō Kōron. However, "Yabanjin" is only Oshika taku's debut work, the full picture of his literature has yet to be clarified. This paper examines the early novels of Oshika taku from the perspective of the history of Showa literature, focusing on the relationship between the works and the literary issues of the prewar Showa period, as well as the intertextuality between the works, in order to reposition Oshika taku and his literature. This thesis argues that Oshika chose to depict human nature at the "frontier" in order to carry out an aesthetic experiment that rebelled against the mainstream: while he refused to write urban literature, he also rejected the contemporary Western European literary trend, and created his own poetry. He is an "anti-modern modernist".

主题分类 人文學 > 語言學
人文學 > 外國文學
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